売却ウラ話
1.何故、不動産会社は買取を勧めるのか
答えは単純です。売主様にとって「業者買取とは?:2」①~④のメリットがあるから勧めるのではありません。
一般の方に売却するより、業者買取をしてもらった方が、不動産会社が儲かるからです。分かりやすく、以下の例えで見て参りましょう。
例:Aさんは、ある大手不動産会社Bに自宅マンションを査定してもらったところ、査定価格は2000万円だったが、売出しを検討しているところに、同大手不動産会社Bより、買取業者による即金買取価格として1600万円という打診があった。Aさんは買換えを検討しており、丁度気になる物件があったことから、担当営業マンの熱心な勧めもあり、1600万での買取を応諾した。
買取契約
※買取契約により約116万円の手数料が入る
再販契約
150万のリフォームを実施し、2150万で売出し、2100万で成約
※再販契約により約150万円の手数料が入る
※大手不動産会社Bが2件の契約で得た仲介手数料:約266万円
ちなみに、この例の場合、買取業者の儲けは、約150万円程度です。通常はもう少し利益を見込むと思いますので、買取価格が1600万円より低くなるか、または再販売価格を上げることとなります。
この例を見ても一目瞭然ですが、一番儲かったのは誰かと言うと、勿論売主様ではなく買取業者でもなく、他ならぬ大手不動産会社Bとなります。
これが、不動産会社が熱心に「業者買取」を勧める理由です。
これを読むと、そういった不動産会社は「じゃあ2000万で売れなかったらどう責任を取るつもりだ!」と私に詰め寄るかも知れません。
ですが、不動産会社自身が2000万円で査定をしているものが、売れないかも知れないとなると、提示した査定価格そのものが、適当だったと言わざるを得ません。
この例では、2000万円では確かにいつ売れるか分からなかったかも知れませんが、1800万円なら、売れる可能性は格段に上がっていたでしょう。
単純計算ですが、1600万円で買い取られてしまった売主様は約200万円損をしたことになります。
2.安易な業者買取には絶対に応じないで!
前項の解説で充分にご理解頂いているかと思いますが、業者買取はバラ色の契約では有りません。安易に不動産会社が熱心に勧めてくる業者買取に走ることは、売主様の損失につながります。
130円でどこにでも売られているコカ・コーラは、どんなに頑張っても200円では売れません。これを130円で売って儲けようとすると、100円で仕入れなければならないのです。不動産の場合は、リフォーム等の付加価値を付ければ高く売れる可能性はありますが、確実に利益を出そうとすると、売主様から安く買い取ることが重要になるのです。
しつこいようですが、不動産業者(仲介業者)ばかりが儲かる業者買取には、やむを得ない事情が無いかぎりは、安易に応じないように注意しましょう。
※但し、業者買取に向いている物件もございます。例えば以下のような物件です。
- ① 世間一般のサイズよりも相当に大きい物件(土地60坪が平均の地域で土地が400坪もある※一般の方では予算的に購入できない)
- ② 建物が相当に古い、若しくは内装がボロボロである(一般に売出しても大幅な価格交渉を受けてしまう)
- ③ 一般の方ではなかなか買えない事業用不動産(収益アパート等)