任意売却

2016年 7月9日

1.ローンの支払い継続が困難になりつつある方へ

uruie07

政府与党を中心にアベノミクス効果による景気回復や株高、デフレ脱却等と言われてますが、現実的には、ここ数年、全く景気の良さを実感できていない方が多いのではないでしょうか。

そんな中で給料はなかなか上がらず、お子様に必要な教育資金は嵩み、デフレ脱却という名の下色々な日常品は値上がりして生活が厳しく、毎月のローンの支払いが苦しい方はかなりいらっしゃると思います。
苦労して購入したマイホームを何とか維持していきたいというのは当然のお考えだと思います。 ですが、マイホームの維持を重視する余り、お子様の教育への投資がおろそかになったり、皆様の日常生活のレベルが下がってしまい、ご家族に心のゆとりが無くなるというのは、長い将来のことを考えると決して健全な状況ではないと思います。

「じゃあ一体どうしたらいいんだ!」

そんな心の叫びへの解決方法の一つが「任意売却」です。

心と暮らしの安心を取り戻すための手段として、以下では「任意売却」について解説して参ります。

(こんな方は任意売却を検討しましょう)

2.「任意売却」ってどんなもの?

最近、ネット広告やラジオCM等でも頻繁に「任意売却」という言葉が使われるようになりましたので、一度くらいは耳にしたことの有る方は多いと思います。

「任意売却」の本来の意味は「自宅を任意に(自分の意思で)売却する」という意味で、自宅を強制的に売却される「競売」と対比して理解すると分かりやすいかと思います。 つまり、転勤や買換え等、自らの意思で売却しておられる方の物件は「任意売却物件」と言えるので、世の中の殆どの売却物件は任意売却と考えることができますが、不動産業界では「任意売却」「任意売却物件」とは、ローン苦による売却で、「競売が目前に迫ってきている物件」という意味で使われております。

任意売却であるかそうでないかの判断基準については、以下をご参照下さい。

①売却によってローン残債を全額返済できる →任意売却ではない

ご自宅を売却し、仲介手数料や登記費用、印紙代などの売却諸費用を差引した手取り額が、住宅ローンの残債額以上の場合には、銀行などの債権者の許可を得て売却する必要はありません。
このケースは任意売却とは言えず、ご自身の判断で売却を行っていくことが可能です。(ただし、ローンの支払いが滞っている状況下であれば、債権者と連絡を取り合いながら行っていく必要はあります)

②売却してもローン残債を全額返済できない →任意売却となる

ご自宅を売却し、仲介手数料等の売却諸費用を差引した手取り額が、ローン残債額を下回っていて、その不足額を自己資金で一括返済することができない場合には、売却しても良いかどうか、売却によって抵当権等の担保を抹消して貰えるかを銀行等の債権者から許可してもらう必要があります。

このケースが典型的な「任意売却」となります。

自宅の抵当権を抹消して貰うには、売却によって、ローン残債務をあくまでも「一括返済」することが基本となります。 手取額や自己資金による一括返済ができない場合は、抵当権を抹消して貰うことが出来ないため、そもそも第三者に売却することができません。 それを特別に債権者の許可を得て売却するのが「任意売却」という訳です。

3.任意売却の流れ

任意売却の相談

ローン返済が苦しい、もしくは既に返済が滞っている等、任意売却をしたいとお考えの方は、まずは頼れる専門家にご相談しましょう。任意売却の相談は極めてプライベートなものですので、プライバシーに充分配慮して相談対応を行っています。

②訪問査定・方針打ち合わせ

まずはしっかりとした査定を行って、残債額に対して売却後の手取り額が不足するかどうかの見通しをお伝えします。もし、不足する場合は、任意売却を視野にいれる必要がありますので、債権者との交渉方法や売却方針を打ち合わせします。

③債権者との話合い・売却活動

債権者に対して、任意売却を行いたい旨を伝えて任意売却方法について話し合いを行います。債権者が複数いる場合は、その全てと連絡を取り合い条件等のすり合わせを行い、見通しを立てたうえで売却活動を行います。

④契約成立・担保抹消の承諾

買主が見つかり、条件が整えば、売買契約を締結して頂きます。債権者が担保の抹消に応じてくれない場合には白紙解約になりますので、債権者とは契約前後に細かく打ち合わせを行い、担保抹消の承諾を得られるように最善を尽くします。

⑤お引越・担保抹消及び引渡し

売買契約が成立すれば、引越を行う必要があります。引越先の紹介や、家財等の処分業者等の紹介も可能です。空家になった段階で、買主様と最終取引を行い物件を引渡します。尚、抵当権等の担保は同日に債権者が抹消してくださいます。これで任意売却は完了です。

4.任意売却成功の秘訣

uruie072

任意売却の成功の秘訣は2つです。

1つ目は「任意売却の経験が豊富な不動産業者に依頼すること」です。

任意売却は、単なる資産処分ではなく、実質的には債権者が決定権を持っておりますので、債権者の担保抹消の同意が引き出せないと、残念ながら競売に進んでしまい、その場合は格安で落札されて多額の借金が残ったり、競売後は強制的に立退きさせられるなど、リスタートもままならない状況に陥ってしまいます。

任意売却の経験が豊富な不動産業者でないと、債権者の同意が引き出せないばかりか、引越費用の捻出もできず、着の身着のまま放り出されるように引越しないといけなくなる可能性があります。

任意売却は単に買主を見つければ良いというものではありません。 債務整理や自己破産に強い弁護士・司法書士や、引越業者等ともしっかり連携の取れている不動産業者であるかなどもしっかりと業者選定の判断基準にしましょう。

2つ目の成功の秘訣は「少しでも高く売れるようにご自身が本気で取り組むこと」です。

不動産業者はともすれば、「任意売却=安くなる」というスタンスで売主様に対峙してきます。 「このまま競売になるよりは安くても任意売却で切り抜けましょう」というようなセールストークをする営業マンは多いのですが、私の考えは逆で、「任意売却=安くなる」という方程式は必ずしも成立しないと思っています。 もちろん、そのような不動産業者の誘導によらず、相場よりも格安で取引される任意売却物件も多く存在します。 しかしながらそれは、任意売却だからという理由ではなく、ローン返済や日々の暮らしに追われてお部屋の片づけや、内装・設備のコンディションの維持管理がどうしてもおろそかになってしまい、本来持っている物件の魅力が半減しているケースが多いためです。

任意売却は、重い住宅ローンの負担に追い込まれた暮らしを平常化させるための大切な手段です。少しでも高く売ることによって、売却によっても返済ができない債務の額が減り、新しい生活に余裕ができます。

任意売却は、決して前向きな作業とは言えませんが、「自分の意思に反して売らされる」と考えて投げやりにならず、不動産業者や債権者の言いなりにならず、売主様自身が自らの大切なライフイベントとして真剣に取り組むことで、高く売ることは可能です。 また、売主様の足元を見るのではなく、そのような売主様の真剣な想いを一緒に担ってくれる不動産会社に売却の依頼を行いましょう。

CATEGORY

PICK UP

  • 広告募集中